大学進学をあきらめないための、奨学金活用!
コロナ禍での家計急変など、
奨学金を有効活用するためのイロハをご紹介します。
秋澄む、気持ちのいい時期になりました。
保護者のための大学選び編集部です。
10代の新型コロナワクチン接種も進んできました。
保護者としては、あとは受験勉強に集中するだけの
環境をつくってあげたいですよね。
政府の緊急事態宣言も明け、皆さんの日常生活も少しずつ落ち着きを取り戻し始めたことと思います。
その一方で、大学受験の“全貌”が日に日にはっきりとした輪郭となり、
そろそろ具体的に受験する大学を絞らなければならない、
なんとも落ち着かない時期がそこまでやって来ているのではないでしょうか。
さて、大学進学は、当然ある程度のお金が必要ですが、
誰もが問題なく進学費用を出せる訳ではありません。
しかし、大切なお子様の夢や希望を、経済的な理由だけで失わせる訳にはいかないですよね。
それでは、大学進学している先輩たちのご家庭では、皆さんどう乗り越えているのでしょう。
日本学生支援機構によると、

そこで、私たち編集部では、奨学金についてわかりやすく掘り下げてみました。
志望校を絞る上で、きっと役立つ情報となるはずです。
知っておくべきポイント
- 給付型と貸与型
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まず知ってほしい一番目は、奨学金には返済不要な「給付型」と返済義務のある「貸与型」の2種類があること。「給付型」は、受給した金額を返す必要はありません。一方「貸与型」は、卒業後に返済する義務があります。
この違いはかなり大きいので、間違えないことが重要です。
- 「貸与型」の利子の有無
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返済が必要な貸与型の奨学金。貸与型にも2種類あり、借りた金額のみを返済する「無利子」のタイプと、借りた金額に利子をつけて返済する「有利子」のタイプがあります。どちらも大学卒業後に、少しずつ分割して返していくのが一般的ですが、できるだけ少ない返済がいいに決まっているので、ここも間違えたくないポイントです。

- さまざまな種類がある奨学金
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一概に奨学金といっても、その代表である日本学生支援機構の奨学金から大学独自の奨学金、地方自治体の奨学金、民間の団体のものまで、さまざまな奨学金があります。奨学金によって、種類や内容、応募条件や方法などが異なるため、各家庭で早めの情報収集と検討が必要になってきます。志望校を絞る上でも、奨学金の比較は大切な保護者のやるべきこと。保護者のための大学選びサイトで比較・検討してみてください。

主要な奨学金制度
- 日本学生支援機構(貸与型)
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最も一般的とされる、日本学生支援機構の奨学金。
貸与型で、利子のつかない「第一種奨学金」利子のつく「第二種奨学金」があります。
- 第一種奨学金[無利子]
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- □利 息:
- なし
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- □学力基準:
- 申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上
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- □家計基準:
- (4人世帯の場合)
家計年収747万以下
- 第2種奨学金[有利子]
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- □利 息:
- 在学中無利子
卒業後は利息あり(年利3%上限)
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- □学力基準:
- 1. 学業成績が平均水準以上と認められる者
2. 特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者
3. 学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
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- □家計基準:
- (4人世帯の場合)家計1,100万以下
※予約採用、4人世帯の場合の1例です。 詳しい条件については、日本学生支援機構 貸与奨学金ページ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/index.html
をご確認ください。
保護者の方は、
スケジュールに注意してください!
日本学生支援機構の奨学金は、大学に入学後に大学を通じて申し込みを行う「在学採用」と高校在学中に申し込める「予約採用」があります。
「予約採用」は進学する前年に高校を通じて申し込みを行います。
希望の申し込みができるように、「第1種奨学金」と「第2種奨学金」での条件の違い(所得や学力など)や申し込みスケジュールを早めにチェックしておくことが肝心です!
保護者の方に
うれしいお知らせです!
2020年度より給付型奨学金が新設。
日本学生支援機構では、経済的理由で大学進学をあきらめることがないように、2020年4月から新制度がスタートしました。世帯収入の基準(住民税非課税世帯、またはそれに準ずる世帯の生徒)を満たしていれば、授業料・入学金免除又は減額と給付型奨学金が受けられます。
詳しくは、文部科学省 高等教育の修学支援新制度 ページ
https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm
日本学生支援機構 高校生等対象リーフレット
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/__icsFiles/afieldfile/2021/03/29/yoyaku_leaflet_mihiraki.pdf
をご確認ください。
- 大学独自の奨学金
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私立大学を中心に、多くの大学では独自の奨学金制度を設けています。
たとえば給付型では、入学試験の成績上位の生徒に対して授業料の全額または半額を給付したり、対象を成績優秀者だけでなく、クラブ活動や課外活動で実績のある生徒としたりすることも多くあります。
大学によって条件はさまざまあるため、志望校の大学案内や保護者のための大学選びなどで、定期的な情報確認をおすすめします。

- 地方自治体の奨学金
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各都道府県や市区町村でも奨学金が用意されています。
条件として、利用する場所の住民であることなどの条件があるため、確認が必要です。傾向としては利子がないタイプの貸与型が多く見受けられます。気をつけてほしいポイントは、日本学生支援機構の奨学金との併用について。併用が不可の場合もあります。また申し込みも、各自治体に申し込む場合と大学を通じて申し込む場合があるので気をつけてください。

- 民間団体の奨学金
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民間の育英団体や企業、個人などが実施する奨学金制度もあります。
対象や条件、金額もさまざまで、給付型と貸与型どちらもあります。
採用人数が少なく、成績優秀者やスポーツ、芸術、文化、ボランティア活動など特定の分野で実績がある人を対象にしたものが多く、書類選考や面接によって決定します。

なんとなく奨学金というものが理解できたかのではないでしょうか。
さらに調べてみると、世の中にはいろいろな種類の奨学金があることに驚かれると思います。
まずは、志望校別に比較してみることをおすすめします。