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Vol.02試験の名前が新しくなりました!受験の骨格。
〜大学受験の基礎知識〜

2021年も、はや7月。いまだ新型コロナに翻弄されている中、多くの大学からは、
来年に向けた入学試験の情報が出揃ってきました。
保護者の方にとっては、久しぶりに手にする入試要項。
すでにご覧になった方はお気づきかもしれませんが、実は、保護者の方の時代と違っているのが、入試のタイトルです。先に受験したお兄ちゃん、お姉ちゃんのときからも、変わっているはず。
文部科学省の見直しにより、呼び名だけではなく内容も進化しました。

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◎最終報告を踏まえ、各大学の入学者選抜において、卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針を踏まえた入学者受入れの方針に基づき、「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価するものへと改善する。

◎その際、大学入学者選抜実施要項(以下「実施要項」という。)の「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の在り方を見直し、高大接続システム改革の趣旨を踏まえた新たなルールを構築する。

◎その際、高等学校教育への影響等を考慮する観点から、入学者選抜のプロセス(出願時期、実施時期、合格発表時期)について、基準を設ける。

◎入試区分については、多面的・総合的な評価の観点からの改善を図りつつ、各々の入学者選抜としての特性をより明確にする観点から、次のように変更する。

【出典】文部科学省「令和3年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告の改正について」

ということで、

これまでの「一般入試」は⇒「一般選抜」

これまでの「AO入試」は⇒「総合型選抜」

これまでの「推薦入試」は⇒「学校推薦型選抜」

今年の入試(21年度)から名称が変更になっています。
それでは、それぞれ試験の特徴をみてみることにしましょう。

AO入試から総合型選抜へ。

総合型選抜<主な入試時期:9月~翌1月程度>

まずは総合型選抜です。文部科学省が定めたのは、以下の通り。

◎総合型(旧AO入試)<文部科学省>
詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。
【出典】文部科学省「令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」

とあります。
そこで、総合型選抜のポイントをわかりやすく言うと、

●それぞれの大学のアドミッション・ポリシーにある、大学が求める人物像に合う人物を採用するための入試といえます。※アドミッション・ポリシーは、大学案内や公式HPに掲載されています。

●受験生の能力・適性や学習に対する意欲などを、時間をかけて総合的に評価する入試といえます。

●求める人物像は大学・学部学科によってさまざまで、選抜を受けるための高校からの推薦は必要ありません。したがって各大学が設定している総合型選抜の条件を満たせば誰でも出願できます。

●選考方法は書類審査や小論文、面接などが一般的で、エントリー後、事前面談や予備面談なども含めて複数回で面談を行う対話型が多いようです。
2021年度入試からは、学校推薦型選抜と同じように、各大学が実施する評価方法に加えて、共通テストを含む教科・科目に係るテストや小論文、プレゼンテーションなど、学力を確認する評価方法を活用することが必須となっています。

早い時期で合格が決まるので、早めの志望校決定、早めの情報収集が重要になります。

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推薦入試から学校推薦型選抜へ。

学校推薦型 <主な入試時期10月~11月>

これまで推薦入試と言われていたものは、学校推薦型選抜となりました。

◎学校推薦型<文部科学省>
学校推薦型選抜出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ、以下の点に留意して評価・判定する入試方法。※大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力も適切に評価するため、高等学校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、「見直しに係る予告」で示した評価方法等又は大学入学共通テストのうち少なくともいずれか一つを必ず活用する。【出典】文部科学省「令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」

とあります。

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その特徴をポイントでまとめてみると。
●入学者比率が40%で、
意外にも一般選抜(共通テスト利用選抜)の次に多いとのこと。

受験資格として学校長の推薦が必要となります。また受験資格には、成績など出願条件が設定されている場合が一般的ですので条件をしっかりチェックしましょう。
選考方法は、書類審査・小論文・面接が多いようです。
また、2021年度入試から、総合型選抜と同じように、各大学が実施する評価方法に加えて、共通テストを含む教科・科目に係るテストや小論文、プレゼンテーションなど、学力を確認する評価方法を活用することが必須となります。

●学校推薦型は、「公募制」と「指定校制」の2つのタイプに分かれます。

「公募制」は、出願条件をクリアした上で、学校長の推薦が必要となります。
募集人員が多いのが特徴で、スポーツ推薦、海外活動推薦、有資格者推薦などの種類があります。

「指定校推薦」は、大学が指定した高校のみを対象とした入試です。
まずは、お子様の通っている高校が、該当するか最初に確認してください。

出願条件をクリアした上で、学校長の推薦が必要となります。
とくに気をつけたいのが専願性。この入試を利用して合格した場合は、必ず入学する必要がありますので、しっかりと確認を忘れずに。

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平成12年度に比べて、入試の多様化が進み、AO入試、推薦入試を経由した入学者が大きく増加しています。
(注) 「その他」:専門高校・総合学科卒業生入試、社会人入試、帰国子女・中国引揚者等子女入試など【出典】文部科学省「平成31年度国公立私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」

一般入試から一般選抜へ。

一般選抜 <主な入試時期1月下旬~3月>

●保護者の皆さんが一番馴染みのある入試が、一般選抜です。
募集人員が一番多い選抜で、各大学が個別の学力試験を実施します。
3教科型が一般的で、文系では英語、国語、地理・公民や数学から1科目選択、理系では英語、数学、理科のパターンが多く見受けられます。
1教科で受験できる入試や特定科目の配点が高い入試などもあるので、早めにチェックしておく必要があります。
同じ大学の他学部などと併願しやすいように、全学部共通問題の「全学部統一入試」や試験日を選べる「試験日自由選択制度」などを設定している大学もあります。また、大学によっては、試験日が異なれば、志望する学部を複数回チャレンジすることも可能です。さらには
・地方試験会場を設けている大学も多い。
・多くの大学で併願割引を導入している。
など、入試の種類が多いので、Webや入試ガイド、募集要項などで検討、確認が必要。
各大学独自で工夫を凝らした選択肢が多いため、早めのチェックが欠かせません。

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共通テスト利用した学力選抜へ。

大学入学共通テスト利用選抜<主な入試時期1月~3月>

大学入学共通テストの受験科目で出願できる入試です。共通テストを受験するだけで複数の大学に出願できるのが、この方式を取り入れている大学を受験することの最大のメリットといえるでしょう。一般選抜と違い、大学独自の学力試験がない場合がほとんどですので、入試対策も立てやすいのではないでしょうか
一般選抜との併願のパターンが多いので効率的。ただし、出願が共通テストの前の場合と後の場合があるので、注意深く確認してください。
※個別試験を課す大学も一部見受けられるので、注意が必要です。

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■ 年間入試カレンダー
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