特集 保護者向け 親子で考える大学受験 保護者のための大学選びlogo

Vol.01新3年生向け
知っておきたい!
コロナ禍で変わる大学受験

2020年。年明けから静かに、そしてあっという間に日本全国を席巻した新型コロナウイルス。
世の中のカタチは新型コロナ禍の中で変わっていきました。
もちろん大切なお子様の大学受験も、例外ではありません。
そこで新型コロナ禍によって変化していく大学受験のポイントまとめてみました。
皆さんは、大学受験もこんな影響を受けていることをご存じだったでしょうか?

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no03キーワードは『下方シフト』。

新型コロナ禍では、世の中がこの先どう変化していくのか、漠然とした不安が募りますよね。そんな気持ちが、受験生にも表れはじめています。志望大学の設定です。従来多く見られた、目標を志望校とする設定とは違い、安全圏の大学を志望校とする傾向が増加しているのです。また、学習の遅れや感染拡大の心配から、進学先が早い段階で決まる学校推薦型選抜や総合型選抜での受験も拡がっています。

2016年度から、首都圏を中心とする都市部の大学への学生集中を是正するため、入学者数が入学定員を一定の基準で超過することのないように定員充足率の基準を厳しくした国の取り組みがありました。このため有名人気私立大などは、合格者をぐっと絞ることに。早稲田大学や慶応義塾大学、上智大学、東京理科大学、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)のほとんどが志願者を減らしました。その余波は、浪人を避けたい受験生が、安全圏の大学に集中することにつながっていったのです。それと今年から始まった大学入学共通テスト。当初は、「英語民間試験」と「記述式問題」の導入が入試改革の目玉とされていましたが、急きょ見送られるなど、大学受験に混乱を招きました。さらに新型コロナが重なったことで、受験生や保護者の方に対して、最善策として安全志向へと向かわせていったと考えられます。

それでも受験生には、こんな時代だからこそ、受かりやすい大学や学部へと安易に変更することなく、本当に望んでいる大学の合格を目指して、強い気持ちで努力を続けてほしいと願っています。

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no04キーワードは『志望学部の変化』。

まずはざっくり傾向をご紹介します。新型コロナの影響から、オンライン授業やリモートワークの重要性が注目されたAIやIoTへの就職に強い理工学部はますます人気が出ているようです。なかでも、電子工学や情報工学の情報系分野などのICT系が伸びています。来年度も多くの大学が情報系の学部・学科を新設するようです。また看護やリハビリテーションなどの看護医療系・保健衛生系の学部は、根強い人気です。志望する学生が多い要因として、都市部に対し地方では大きな企業が少なく就職も限られるということから、希望者が変わらず多く見受けられると推測できます。医系は国公立大、私立大とも一時期ほどの人気はないように見受けられますが、実は志願率でみればそう変化ありません。コロナ禍の状況は、今後医学部受験に対してどのような変化をもたらすかは、関心を集めるところになりそうです。影響が出そうといえば国際系です。一定期間の留学を必須にしているところは、カリキュラムの変更が必須と考えられます。留学を軸に志望校を選ぶのは難しくなってきています。東海大の工学部航空宇宙学科の航空操縦学専攻では21年度の入試を停止しました。アメリカで飛行訓練を受けるカリキュラムが組めなくなったからですが、こうしたことが他大学でも現れてくるでしょう。しばらく人気が続いた文系は、今春の入試では経済、法、国際などの社会科学系を中心に志願者が減りました。

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[文系では]

文系は全体的に減少傾向になると予想されます。
文系は法(政治)、経済・経営・商(経済・経営)の減少が目立ちます。2021年度入試ではデータサイエンス系で文系受験が可能な武蔵野大などの人気が高まったのは、文系人気低下の具体例ではないでしょうか。国際系は留学を必須としているところが減少傾向です。それでも国際感覚を身につけた人材は、いつの時代でも必要とされます。国際化の波が止まることはないでしょう。留学に代わるカリキュラムがどんなものになるかによって、今後人気が回復する可能性もあります。逆に捉えればワンランク上の大学を狙うことができるチャンスとも考えられる状況です。教員養成系は厳しいのではないでしょうか。今回の新型コロナの影響で、教員の仕事量が極端に増えているのは周知の通りです。それを知った受験生や保護者の方が今後どう判断するか気になるところです。

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[理工系では]

理工学部の中でも特に私立大の理工系の志望者が増えています。土木・建築などの人気も高く、公共のインフラ整備に関心が向いている傾向は、東京オリンピック、パラリンピックの影響もあるでしょう。21年度入試では、東京理科大、芝浦工業大、工学院大、東京電機大、千葉工業大、神奈川工科大、地方の金沢工業大、福岡工業大など、工科系大学の人気が高まる予定です。一橋大商学部は2021年度にデータ・デザイン・プログラムを開設しました。今後新設予定のソーシャル・データサイエンス学部のパイロット版とも言われています。このような情報系文理融合型の学部の人気が今後は高まると予想されます。

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